ここでは、食品製造における金型コーティング対応の事例を紹介しています。
吉田SKTに寄せられた企業の悩みをもとに、一連の流れを解説していきましょう。どのような課題を抱え、どのような対策を講じたのか、解決までの流れをぜひ参考にしてください。自社の金型に対しての具体的な対策も掴めるようになるはずです。
使い捨て製品のひとつである生分解性プラスチック製品の製造に取り組んでいましたが、成型する際に離型トラブルが起こっていました。トラブルを解決するべく、情報収集を行ったうえで、金型へのコーティング処理を検討するように。
しかし、生分解性プラスチックは一般のプラスチックと成形性が異なっています。そのため、コーティング処理の離型具合に関してのテストを事前に行う必要があったそうです。
生分解性プラスチックの製品化に向けて、金型のコーティング処理なしでは、やはり離型がうまくいかなかったそう。金型から取り出す際、製品に傷がついてしまい、品質が落ちてしまうリスクや、生産効率が低下するリスクもあります。
生分解性プラスチック製品を製品化するには、金型からスムーズに製品を取り出せることが必要不可欠。したがって、離型性を高めるコーティングを施すことがいちばんの課題でした。
成形金型に適したサンプルをまとめたサンプル集を参考に、クライアント側で実際のプラスチックを使って離型性を試作。さまざまなコーティングを試した結果、金型にバイコート® エクシード(超耐久有機無機複合コーティングシステム)を採用しました。
高硬度、非粘着、高精度に加えて、耐薬品性の向上も図れるコーティングです。金型が持つさまざまな性能を高めてくれることから、金型の寿命延長も期待できます。
サンプルでもっとも評価がよかったバイコート® エクシード「NYK-2000E」を試作型として数ヵ月運用したところ、離型性に加えて、優れた美観の成型品を製造できるようになりました。コーティングにより離型性が向上し、樹脂の付着が防止されるため、製品の取り出しが容易にできるようになった結果です。実機金型に複数セットを採用し、トラブルもなく使えているそうです。
結果的に、金型にコーティングをすることで課題を解決できたと言えるでしょう。
今回のケースは、生分解性プラスチック製品を成形する工程で、金型からの離型がうまくいかないという課題を、コーティングによって離型性を高めることで解決したという流れでした。コーティングされた金型は非粘着性が向上し、製品を傷つけずに金型から取り出せるという利点があります。その結果、表面が美しい製品を製造でき、品質向上にもつながります。
自社の金型について課題を抱えているときは、今回のように自社の課題を明確にしたうえで、課題をしっかり解決してくれるコーティングを選定することが大切です。
このような施策や対応に興味がある、自社の金型の性能を上げたい。金型に関する課題を抱えているのであれば、ぜひ金型に対応したコーティングメーカーをチェックしてみてください。
金型の寿命を延ばすことで生産性向上にもつながる金型コーティング。しかし、金型の種類によって耐摩耗性や耐熱性、樹脂残留など解決したい課題はさまざま。 ここでは、金型の種類別に課題を解決できるおすすめコーティングメーカーを紹介します