金型の寿命延長や性能の向上を実現するには、コーティングがおすすめです。しかし、一口でコーティングといっても、コーティングにはさまざまな種類があります。
ここでは、金型のダイクロンコーティングについてまとめました。ダイクロンコーティングは、どのような金型に適しているのか、どのような業界や製品に向いているのか。メリット・デメリットもあわせて詳しく解説しています。くまなくチェックして、自社で取り扱っている金型に合っているかを確認してください。
ダイクロンコーティングが施された金型は、プレス加工用の金型に適しています。
プレス加工で使われる金型は、強い衝撃によって摩耗が激しくなりますが、ダイクロンコーティングによって摩耗を抑えることが可能。プレス加工は耐摩耗性が重要なポイントなので、ダイクロンコーティングは非常に相性がよいと言えるでしょう。
樹脂成形用の金型にも、ダイクロンコーティングされた金型は向いています。
高温のプラスチックを加工するプロセスにおいて、金型には耐摩耗性や離型性の向上が求められます。ダイクロンコーティングは離型性を高めてくれるため、樹脂が金型に付着するのを防止。製品の表面が傷つくことなく、安定した品質で製品を製造できるでしょう。
ダイクロンコーティングを施した金型は、自動車業界と相性がよく、ハイブリッド車や電気自動車の部品製造などに使われています。プラスチック製のバンパーや金属のフレーム部品、ゴム製のパッキンなど、さまざまな材料の製造が可能です。
ダイクロンコーティングされた金型は、電子部品業界にも向いていると言えるでしょう。離型性と耐摩耗性をおおいに活かし、光学レンズやイヤホンケース、コネクタパーツなど、小型で精度の高い製品の製造に貢献。表面が滑らかで、美しい外観に仕上げられます。
すぐれた耐摩耗性や高い精度が求められる医療機器業界でも、ダイクロンコーティングされた金型は活躍しています。
たとえば、カテーテルや使い捨て注射器、外科用の樹脂製部品などが挙げられるでしょう。樹脂製品やゴム製品といった幅広い製品を、正確な寸法で大量に生産できます。
ダイクロンコーティングされた金型は、通常の硬質クロムめっきと比較して約3倍の耐摩耗性を有しています。そのため、摩擦係数が非常に小さく、ほとんど摩耗しない点がメリット。ほぼ設計どおりに製品を仕上げられるので、全体的な品質向上が期待できるでしょう。
母材との密着性がすぐれている点もメリットです。
急熱・急冷などの加工や、処理後の曲げなどに対しても、コーティングが割れたり割けたりすることがほとんどありません。製品の滑らかな表面を維持できるでしょう。ただし、数十回を超える曲げでは影響を受けてしまうため、注意してください。
ダイクロンコーティングは、すべての素材の金型に適しているわけではない点に注意してください。アルミの鋳物材や超硬材など、一部の金型ではコーティングがうまくいかない可能性があります。自社で取り扱っている金型の素材をしっかりと確かめましょう。
ダイクロンコーティングが施された金型は、優れた耐摩耗性や密着性、離型性を誇ります。性能をいかし、自動車業界や医療機器業界などで多く使われているよう。幅広い製品を高精度・高品質、かつ表面も滑らかな仕上がりで製造できます。修正などを行う必要がない分、効率的な業務が可能になるでしょう。メリットがある反面、デメリットもあります。メリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、ダイクロンコーティングを行うか決めてください。
金型には、それぞれ金型の種類に適したコーティングを施すことが必要です。このサイトでは、金型の種類別におすすめのコーティングメーカーを紹介。自社で取り扱っている金型にどのようなコーティングが適しているか悩んでいるのであれば、ぜひ参考にしてください。
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