金型の表面に発生する腐食や錆は、離型不良が発生するばかりか擦れの多発や成型品の色が変化するといったトラブルへと繋がっていく可能性があります。
金型の腐食によって不良品が多数発生することで、材料費や人件費といったコストがかさむ可能性があるため、あらかじめ金型の腐食に対する課題や原因、改善策を知っておくことでこれらのリスクを軽減することができるので、金型を扱っていてこれからコーティングを検討している場合は、ぜひチェックしてみてください。
金型の腐食(錆)が発生することで、金型の鏡面性が失われるなどさまざまな問題に繋がっていきます。金型の鏡面性が失われると離型不良や擦れなどが起こり、成形品の不良品が多数発生するなど、大きなリスクとなります。また、腐食(錆)が発生することで、被加工材の一部が付着し、表面に凸凹ができてしまうことで、金型自体へのダメージも避けられません。
他にも、ガス腐食の場合には成形品が変色し、不良品となってしまい大幅にコストがかかってしまうリスクもあることから、金型の腐食を防ぐ処置やメンテナンスなどを定期的に行うことが重要と言えるでしょう。
金型の腐食(錆)が発生する原因にはさまざまなものがありますが、大きく分けて「金型の管理」に関連する腐食と、「使用する材料」による腐食の2種類があります。
金型の管理に関連する腐食として代表的なものに「結露」があります。梅雨の時期など湿度が高い時期には、温度の低い金型に空気中の水蒸気が触れることで結露が発生します。金型についた結露は、金型の表面だけでなく内部にも水分として溜まってしまうことがあります。溜まってしまった水分・付着してしまった水分が原因で腐食に繋がっていきます。
また、「使用する材料」による腐食には、例として樹脂由来の化学成分が、イオンなどの影響を受けることで金型の部品同士で電位差が発生し腐食(錆)に繋がっていくケースがあります。
金型の腐食(錆)を防ぐためには、湿度の低い場所に保管することが大切です。具体的には湿度を低く保ちつつ、換気の良い場所で保管をすることで金型の腐食を防ぐことができます。
また、定期的に金型のメンテナンスを行うことで、腐食(錆)を防ぐことができます。湿気から守ることも大切ですが、埃などのゴミを除去するなどを行いながら腐食が発生していないかをチェックすることで、異常が発見された場合には、早急に洗浄するなどの対応を行います。
他にも、金型の腐食(錆)を防ぐためには、保管管理を徹底すること、メンテナンスを行うこと以外にも、金型の表面に腐食防止効果の高いコーティングを行うことが効果的です。コーティングにはさまざまな種類がありますので、使用環境や要望に合わせたコーティングが可能です。
腐食(錆)は、金型を取り扱う上で気をつけなければならないポイントのひとつです。保管方法や定期的なメンテナンスを行うことも重要ですが、金型コーティングを行うことで、金型の腐食を防ぐことができます。
被加工材鉄系のプレス金型や鍛造金型の場合は、TCX、IAR、IAXなどのコーティング、被加工材非鉄系のプレス金型や鍛造金型の場合は、HA、HAクリア、HAXなどのコーティングがおすすめです。
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