金型は使っていくうちに、必ず寿命は訪れます。しかし、できるだけ長く使い続けて、生産効率の向上やコスト削減を実現したいと思っている人は多いでしょう。
ここでは、金型の寿命によって起こる課題や寿命の原因、有効な対策についてまとめました。定期的なメンテナンスやそれぞれの金型に合わせた対策によって、金型の寿命を延ばすことが可能です。ぜひ参考にして、金型の品質を保ち、長く使い続けられるようにしてください。
金型の寿命によって、製品の品質が落ちてしまいます。金型自体に「摩耗している」などの問題があるため、製品の寸法精度が下がってしまい、設計どおりの形状にならない可能性があります。
たとえば、製品の表面に傷がついたり粗さが生じたり、製品が不良品になったり。そのため、かえってコストが高くなってしまうでしょう。
金型が寿命を超えてしまうと、金型に割れが発生します。
亀裂が入ってもそのまま使い続けていると、製品の品質が大幅に低下してしまうだけでなく、設備の故障の原因となります。また、作業員がケガをするなど、作業員の安全にもリスクが生じるでしょう。
摩耗以上の損害となるので設備自体にも大きな負荷がかかってしまい、今後の生産にも影響を及ぼしかねません。
金型の寿命による生産効率の低下や、生産コストの増加なども課題と言えるでしょう。
金型の交換・修理に時間を要するため、工程に遅れが出る可能性が高くなります。交換・修理にかかるコストも発生することになり、計画していた予算を超えてしまうかもしれません。
金型の寿命のおもな原因は、ショットの数。その金型が製品の成形に使用された回数を指し、金型の寿命を見定める重要な指標となっています。
多くの金型は、どの程度のショット数が可能なのかあらかじめ設計や製造段階で計算されているため、その数値を把握しておけば、金型の寿命も大まかにわかるでしょう。たとえば、120万回のショットが可能であれば、一日に1,000ショット行う計算だと3年と4カ月ほど使用できることになります。
金型の素材も、金型の寿命に大きく影響を与えます。
金型に使用されるおもな素材として工具鋼やセラミックなどがありますが、いずれも高い耐久性と硬度を持ち、耐摩耗性も優れています。寿命が長い金型を製造する際には、品質が優れている素材を選定することが大切なポイントと言えるでしょう。
被加工材料の硬度や厚さも、金型の寿命を決める原因です。
被加工材の硬度が高ければ、その分金型にかかる負担が大きくなるため、金型の寿命が短くなります。また、被加工材が厚い場合も同様です。金型に負担がかかってしまう分、金型の寿命を縮めることになります。
金型の使用後に付着したガスや汚れを定期的に掃除することで、金型の寿命を延ばすことが可能です。
ガスや汚れは、金型にサビ・腐食といった悪影響を与えるため、これらをこまめに拭き取ることが大切。拭き取った後にはサビ止めを塗って定期的にメンテナンスをすることで、金型の劣化を防げます。
高精度で品質の高い金型を導入することも、金型の寿命に大きく影響します。
先述したとおり、硬度や耐久性、耐摩耗性が優れた素材を使用した金型を選定することで、劣化のリスクを大幅に抑えられるでしょう。もちろん、長く使い続けられるよう、メンテナンスをすることも対策のポイントです。
金型に適切なコーティングを施すことも、金型の寿命を延ばすのに適切な方法です。
コーティングは金型の硬度を高めるため、摩擦などによる劣化を抑えることが可能。摩耗が減り、製品の寸法精度や表面品質も向上するでしょう。また、耐腐食性の向上にも、コーティングは非常に有効です。金型が湿気や薬品にさらされても腐食を防ぎ、金型の品質を維持してくれます。
金型の寿命を決める原因には、ショット数や金型の素材などいくつかありますが、何度も使用していくうちに、寿命は必ず訪れます。しかし、定期的なメンテナンスや適切な対策によって、金型の寿命を延ばせることを覚えておきましょう。それぞれの金型の種類に合った対策を行うことで、金型の品質を維持することが可能です。
有効な対策の中でも、金型をコーティングする方法がおすすめ。金型の硬度を高め、腐食を防止。劣化スピードを遅らせるため、長く使い続けることができるでしょう。
金型には、それぞれの金型の種類に適したコーティングを施すことが必要です。このサイトでは、金型の種類別におすすめのコーティングメーカーを紹介。 自社で取り扱っている金型にどのようなコーティングが適しているか悩んでいるのであれば、ぜひ参考にしてください。
金型の寿命を延ばすことで生産性向上にもつながる金型コーティング。しかし、金型の種類によって耐摩耗性や耐熱性、樹脂残留など解決したい課題はさまざま。 ここでは、金型の種類別に課題を解決できるおすすめコーティングメーカーを紹介します